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オオジシギ (2013年6月6日)

この時期、深夜、2階で窓を開けてブログを書いていると、時折、オオジシギのディスプレイフライトの音が聞こえてきます。今日も夜11時前から聞こえだし、0時半を過ぎましたが、まだ、音が聞こえてきます。この間、ずっと音が聞こえているわけではなくて、「5~10分ぐらい聞こえて、10~20分ぐらい休んで」、の繰り返しです。
そういえば、今朝は、植物園のすぐ横の電柱の上に止まっているのを見かけました。電柱に泊まっているのを見たのは今年初めてのような気がします。時折鳴き声を上げますが、ディスプレイの時のような感じではなく中途半端なところで止めてしまいます。

フランスギク (2013年6月5日)

5月下旬頃に、ひるがの高原で道端などに直径5cmほどの白い花を咲かせている植物があります。フランスギクという帰化植物です。日本の外来生物という図鑑によると、「寒さに強いため、北海道や本州の亜高山帯にある国立公園内で野生化し、八幡平などで駆除されている」とあります。ひるがの高原周辺では、環境省から特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウほどには増えていないようです。

フランスギク(2013/6/5 ひるがの多目的広場駐車場)

フランスギク(2013/6/5 ひるがの多目的広場駐車場)

ハルゼミとエゾハルゼミ (2013年6月4日)

ひるがの高原では、5月の中旬頃から、セミの鳴き声が聞こえてきます。春に鳴くセミは、文字通り「ハルゼミ」と呼ばれるのですが、細かく言うと、ひるがの高原周辺にはハルゼミとエゾハルゼミという2種類のセミがいます。
ハルゼミは、ひるがの高原の中央部に多く、エゾハルゼミは、ひるがの高原の周辺部の山麓から、大日ヶ岳の中腹ぐらいの比較的標高の高い場所にいます。はじめは、単純に標高ですみ分けているのかと思いましたが、図鑑で調べると、ハルゼミは松林、エゾハルゼミはブナ林で発生するということが書いてあります。確かに、湿原が埋め立てられたり乾燥して出来た高原中央部のやせた土地にはアカマツが多く、大日ヶ岳登山口より標高の高い場所にブナが多く生えており、ほぼ植生に合った分布をしていることが分かります。湿原植物園の周囲はアカマツ林が多く、ハルゼミの声が多く聞こえてきますが、時折、遠く大日ヶ岳に近い方の林からエゾハルゼミの声が小さく聞こえてきます。
鳴き声は、ハルゼミが「ムゼー、ムゼー・・・・」という繰り返しが特徴で「ギーギーギー・・・」とも聞こえますが音も控えめであまり気がつきません。エゾハルゼミは、それよりもより騒がしい感じで「ミョーキン、ミョーキン、ケケケケケ・・・・」と鳴き、合唱することも多いです。
ハルゼミは本格的な夏が到来しニーニーゼミやヒグラシが鳴き始める7月上旬ごろには鳴き声を聞かなくなりますが、大日ヶ岳の標高の高いところでは、エゾハルゼミの大合唱が7月の終わり頃まで聞こえてきます。

ハルジオン (2013年6月2日)

植物園のすぐ横のアスファルト道路の道端。この場所は、ここ数年すぐに刈られてしまうのですが、今年はいつも草刈をしている父が忙しくて今のところ草ぼうぼうです。でも、このほうが実は私は好きなのです。ここで、ハルジオンがたくさん咲いています。ハルジオンは、漢字で書くと「春紫苑」、和名は牧野富太郎の命名だそうです。今では、全国で普通に見られる雑草ですが、元々は北アメリカ原産。ハルジョオンと呼ぶ人もいますが、これは、ヒメジョオンとの混同でしょうか。ハルジオンとヒメジョオンは名前もややこしいですが、よく似ていて、見分けが付かない人も多いと思います。ハルジオンはつぼみの時期は、花のついている茎がうなだれて下を向いていますが、ヒメジョオンは斜め上かせいぜい横向きです(ひるがので撮影したヒメジョオンを再度確認したところ下向きのもあるみたいです 2013/6/4)。花の色は、ハルジオンは薄いピンク色から白までありますが、ヒメジョオンは白のみ。迷ったら、茎を切ってみれば良いです。ハルジオンは中空ですが、ヒメジョオンは白い髄がつまっています。こういうのを中実(ちゅうじつ)とよぶのですが、中空ほどは聴きなれない言葉です。
ひるがの高原では、5月中にハルジオンが咲き始め、ヒメジョオンはそれより少し遅れて咲き始めます。花の時期はヒメジョオンの方が圧倒的に長くて夏ごろまで咲いています。

植物園横のハルジオン(2013/6/1)

植物園横の道端のハルジオン(2013/6/1)


植物園横の道端のハルジオン(2013/6/1)

植物園横の道端のハルジオン(2013/6/1)花に止まっているのは、ハナアブの仲間(キタヒメヒラタアブ?)


ハルジオンの茎(2013/06/01)

ハルジオンの茎(2013/06/01)
切ると中空であることが分かる。

メボソムシクイ (2013年5月31日)

今朝、ミズバショウ池でシュレーゲルアオガエルが騒々しく鳴いている中、植物園の隣の林から、ちょっとゆっくりめのペースで「チョチョリ、チョチョリ、チョチョリ」という小さな鳴き声が聞こえてきました。鳴き声と鳴き声の間隔が長くて、もう鳴き止んだからと立ち去ろうとするたびに背中から聞こえてきます。どこかで聞いたことがあるような声だけど、思い出せないが、以前、長良川の源流碑へ向かう途中の林道で、たかすスノーパークの方から聞こえてきた鳥の声に似ていると思いました。でも、そのときはもっと速いテンポでチョリチョリチョリという感じでした。その鳥の名は、図鑑を見て思い出しました、メボソムシクイ。ちょっと聞きなれた声と違うけど、鳴き方に何通りかのパターンがあるのだろうと勝手に納得しています。メボソムシクイというと、高山の鳥ですが、この時期だけなのか、ひるがの高原ぐらいの標高(約900m)にもいるようです。

マルハナバチ (2013年5月30日)

マルハナバチは、花粉を運ぶハチです。ハチというと怖いイメージですが、いじめたりしなければマルハナバチはスズメバチのように近づいただけで人を襲うことはないと思います。ところが、最近はハチらしきものが飛んでいるだけで大騒ぎする人が多くて(そういう人はハチに擬態したアブでも大騒ぎします)、そんなに騒げばかえって刺されるのではないかと心配になります。スズメバチもアシナガバチも見かけたら騒がずに静かにその場を離れるか、動かずにじっとしていることです。ただし、知らずに巣に近づいたり触れたりたたいたり踏んだりして襲ってきたら全速で逃げましょう(刺されてから気づくことも多いですが)。
マルハナバチは名前は漢字で書けば、たぶん「丸花蜂」です。名前のように、丸っこくてずんぐりした姿で、花によくやってきます。マルハナバチは、花粉を運ぶハチとして重要で、植物の中には、マルハナバチに花粉を運んでもらわないと種子が出来ない、もしくは、出来る種子が少なくなってしまう種類もあります。マルハナバチの仲間は、国内に10種類以上いるということですが、近年減少しつつあり、その原因には、環境の悪化や外来種の影響などいろいろと考えられているようです。
ひるがの高原でも、マルハナバチは、ときおり見かけます。5月中は、種類は分かりませんが、黒っぽくて大きめのハチをよく見かけました。他にも2・3種類はいそうですが、まだ種を見分けられないです。
現在、東北大学や山形大学などの研究チームが、住民参加型での調査を行っています。GPS機能付きの携帯電話で撮影した写真を送ってもらうという方法でデータを集めています。興味のある方は、http://meme.biology.tohoku.ac.jp/bumblebee/をご覧ください。

トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジ (2013年5月30日)

以前から、夫婦滝周辺のミツバツツジの種類を調べています。ミツバツツジの仲間は、ツツジ属の中でも特に分類が難しく、なかなか種類がはっきりしませんでした。一昨年に、夫婦滝に咲いていたものを望遠レンズで撮影し確認したところ、花柱(かちゅう、めしべ)の下半分に縮れ毛があることが分かり、トウゴクミツバツツジの可能性が高いことが分かっています。同じ特徴のミツバツツジが、お隣の高山市荘川町のあまご谷や六厩の軽岡でも見つかっています。一方、植物園のミズバショウ池のほとりに植えられているミツバツツジは、花柱に毛がないため、特徴から考えてユキグニミツバツツジとしていました。しかし、ユキグニミツバツツジには葉柄(ようへい)に毛がないことになっているのですが、園内のこのミツバツツジには、毛が生えており、この特徴は、トウゴクミツバツツジと同じです。これは、図鑑では分布域になっていないはずのダイセンミツバツツジの特徴と一致します。ダイセンミツバツツジは、鳥取県の大山から名をとられたツツジで、主な分布域は中国・四国地方で、長野県や山梨県(図鑑によっては愛知県)にも分布するとあり、分類上は、ユキグニミツバツツジはダイセンミツバツツジの亜種ということになっています。
昨年までユキグニミツバツツジの自生がひるがの付近で見つかっていなかったのと、葉柄の毛の色が図鑑にあるような褐色ではなく白色だったのでとりあえずユキグニミツバツツジということにしていました。そして、園内のミツバツツジはもしかしたら、ひるがの高原以外から移植してきたものだという可能性も捨てきれませんでした。これが、昨年までの状況です。ところが、今年になって、夫婦滝のトウゴクミツバツツジがほぼ終わりかけた頃に、そこから数百メートル離れた雑木林で、ユキグニミツバツツジと思われるおそらく自生のツツジが見つかりました。これは、図鑑どおりの特徴をもち、花柱にも葉柄にも毛がありませんでした。そういえば、何年か前に夫婦滝付近でも色が微妙に異なる2種のツツジが同時に咲いていたのを見たことがあるのを思い出しました。もしかすると、それは、トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジだったのかもしれません。トウゴクミツバツツジとユキグニミツバツツジは近縁種で同じコバノミツバツツジ列という分類群に属していて、分布域が重なるところでは、両者の雑種に由来する中間的な種が出てくることも考えられます。

ユキグニミツバツツジ(2011/5/13 ひるがの湿原植物園)

ユキグニミツバツツジ(2011/5/13 ひるがの湿原植物園)


ユキグニミツバツツジ(2010/5/27 ひるがの湿原植物園)

ユキグニミツバツツジの葉(2010/5/27 ひるがの湿原植物園)
葉柄に毛があることが分かる。


トウゴクミツバツツジ(2011/5/16 夫婦滝)

トウゴクミツバツツジ(2011/5/16 夫婦滝)


ユキグニミツバツツジ(2013/5/21 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)

ユキグニミツバツツジ(2013/5/21 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)


ユキグニミツバツツジ(2013/5/25 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)

ユキグニミツバツツジ(2013/5/25 ひるがの高原夫婦滝付近の雑木林)
葉柄に毛が無いことが分かる。

ユキザサ属3種について (2013年5月30日)

ユキザサ属は、ユリ科の多年草でひるがの高原周辺では、大日ヶ岳に3種類が自生しています。
ユキザサ、オオバユキザササ(ヤマトユキザサ)、ヒロハユキザサの3種類です。そのうち、ユキザサとオオバユキザサは、園内に植えられています。園内での花期は例年5月中旬頃から6月上旬頃、ユキザサの方が約1週間早いようです。ただし、今年は5月初旬から中旬にかけての少雨のため、ユキザサはほとんど花が咲きませんでした。今、オオバユキザサがつぼみを付けていますが例年より少ないようです。ユキザサとオオバユキザサは、ともに花の色が白いため、全体の大きさと花の時期とで区別しています。ヒロハユキザサは花が緑色をしているので他の2種との区別はやさしいです。
ユキザサは、北海道では「アズキナ」と呼ばれる山菜ですが、岐阜県では、「アズキナ」といえば、マメ科のナンテンハギのことで、同じく山菜として利用されています。

ユキザサ(2002/5/13 ひるがの湿原植物園)

ユキザサ(2002/5/13 ひるがの湿原植物園)


ユキザサ(2009/5/25 大日ヶ岳)

ユキザサ(2009/5/25 大日ヶ岳)


オオバユキザサ(2008/5/27 ひるがの湿原植物園)

オオバユキザサ(2008/5/27 ひるがの湿原植物園)


ヒロハユキザサ(2008/6/12 大日ヶ岳前谷登山道)

ヒロハユキザサ(2008/6/12 大日ヶ岳前谷登山道)

サワフタギとシロシタホタルガの幼虫 (2013年5月30日)

ひるがの高原で、5月下旬頃から咲き始める木の花にサワフタギがあります。
ハイノキ科の低木のサワフタギは、漢字で書くと「沢蓋木」の名の通り、沢沿いの湿った場所などに多く生えます。ひるがの高原では、湿原の周囲や水路沿いの低木の林や、湿った雑木林の林縁などに多く見られます。
サワフタギの葉によく付いている毛虫がシロシタホタルガの幼虫です。先日、あやめ沢湿原の木道沿いのサワフタギの葉の上に3匹見つけました。サワフタギの花は、まだつぼみでした。

シロシタホタルガの幼虫(2013/5/26 あやめ沢湿原)

シロシタホタルガの幼虫(2013/5/26 あやめ沢湿原)

東海地方で梅雨入り (2013年5月28日)

東海地方で梅雨入りした見られると発表がありました。昨年および例年より11日早い梅雨入りです。なお、昨年の梅雨明けは7月23日でした。ひるがのでも、夕方から雨の予報です。明日も、1日中雨の予報です。

ウスバシロチョウとムラサキケマン (2013年5月28日)

ムラサキケマンが咲く頃、ウスバシロチョウがよく園内に飛んできます。ムラサキケマンは、ウスバシロチョウの幼虫の食草で、おとなりの民家の畑の周辺にたくさん生えています。モンシロチョウなどのシロチョウ科の蝶ではなくて、アゲハチョウの仲間なので、ウスバアゲハという名前に変えようという意見もあるようです。
なかなか写真に撮るのが難しったのですが、一昨日の早朝、芝生の花壇のヤブカンゾウの葉にじっとして動かない雌を見つけました。なぜ、雌だと分かったのかというと、腹の下側に白っぽい袋がついていたからです。これは、交尾のあとに雄が雌につける交尾付属物(受胎嚢もしくは交尾嚢とも呼ばれる)と呼ばれるものだそうです。ウスバシロチョウは、色の変異が多くて、白っぽいものから黒っぽいものまであるそうです。この個体は全体に黒っぽくて、こういうのは日本海側に多いそうです。

ウスバシロチョウ(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)

ウスバシロチョウ(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)


交尾付属物を付けたウスバシロチョウの雌(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)

交尾付属物を付けたウスバシロチョウの雌(2013/5/26 ひるがの湿原植物園)


ムラサキケマン(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

ムラサキケマン(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

コナラとミツバチ (2013年5月28日)

コナラは、高木になる落葉樹の中でも、葉が開く時期が遅い樹種です。今年は特に遅くて、今の時期がちょうどコナラの新緑の季節です。広がる途中の若い葉には白い毛が生えていて、新緑の時期には、薄緑色に見えます。
今朝、園内のコナラの下に来るとブーンと言う音がたくさん聞こえてきます。どうやら、ミツバチがコナラの花にたくさん来ているようでした。ニホンミツバチなのかセイヨウミツバチなのか遠すぎてよく分かりませんでしたが、近くに養蜂場があるので、来ていたのはセイヨウミツバチかもしれません。

コナラの花と新葉(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

コナラの花と新葉(2013/5/28 ひるがの湿原植物園)

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岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり