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岐阜県レッドリスト(植物編)改訂版の公表について (2013年7月13日)

岐阜県レッドリスト(植物編)改訂版が公表されました。
7月11日の中日新聞朝刊岐阜県版記事「県内の絶滅危惧植物、244種に増加 県レッドリスト」
岐阜県のホームページ

レッドリストとは、絶滅のおそれのある動物や植物のリストで、環境省が全国版を発表するほか、各県毎にも発表されており、数年毎に更新されています。

ひるがの高原や周辺地区で、ここ約10年間に自生を確認した植物で今回のレッドリストに該当するものは以下の通りです。以前と比べると、かなりの数の種類がリストに掲載されるようになりました。
ひるがの高原における植物相の現状は十分に調査されておらず、特に、シダ類、キク科、イネ科、カヤツリグサ科、イグサ科、ホシクサ科、ラン科については、ひるがの高原に自生する植物でレッドリストに掲載される種は今後もっと増えると思います。

絶滅危惧Ⅰ類
トモエシオガマ
ヒルムシロ
サギソウ
トキソウ
ヤマトキソウ

絶滅危惧Ⅱ類
エンコウソウ
ヤマシャクヤク
ヤシャビシャク
アイズシモツケ
カキツバタ
キンラン
ササバギンラン
ミズチドリ

準絶滅危惧
ナガバノウナギツカミ
オオヤマレンゲ
ヒツジグサ
キケマン
シラヒゲソウ
カライトソウ
ビッチュウフウロ
スズサイコ
オミナエシ
マツムシソウ
ミズギク
ユウスゲ
コオニユリ
イワショウブ
ツチアケビ
カキラン
コケイラン
ヤマサギソウ

情報不足
ベニバナヤマシャクヤク
ヤマナシ

クサレダマ (2013年7月9日)

今日から、ページの上の画像が替わりました。キンコウカに続いて黄色い花ですが、クサレダマです。クサレダマは、漢字で書くと「腐れ玉」では無く「草連玉」です。連玉(レダマ)というのはマメ科の木本で花の色が黄色いのですが、共通点はそれだけで、あまり似ていません。

キンコウカがひるがの高原より標高の高い場所に主に生育するのに対して、クサレダマは、より標高の低い場所に生育する植物です。全国的には、かつては、低地の潟や河川周辺の湿地でたくさんの自生が見られたようですが、開発で低地の湿地はほとんどが失われ、姿を消してしまった場所も多いようです。ひるがの高原でも、クサレダマが生育できるような水分の豊富な湿地はあまり多くなく、同じような場所に見られるミズチドリとともに貴重な植物となっています。

クサレダマ

クサレダマ(2005/7/16 ひるがの高原)

梅雨明け (2013年7月9日)

昨日(7月8日)、気象台から東海地方で梅雨明けしたと見られると発表がありました。
昨年より15日早く、例年より13日早い梅雨明けで、過去5番目の早い梅雨明けだそうです。

キンコウカ (2013年7月7日)

今年度からホームページの上部にある画像を時折変えています。6月下旬から7月上旬はキンコウカです(7/9にクサレダマに入れ替えました)。キンコウカは、ひるがの高原では、今ではひるがの湿原植物園内の湿原にしか自生していない貴重な植物です。
キンコウカは、ひるがの高原では標高900mm以下の場所に自生していますが、全国的に見ると中部地方から北海道の、主に亜高山帯から高山帯にかけての雪田や高層湿原に分布しており、高山植物図鑑にも掲載されています。
ネットで検索すると、標高の低い場所にある自生地としては滋賀・福井県境の三国山(標高876m)にある湿原や三重県菰野町の朝明渓谷の湿地(標高約600m、自生の南限及び最低標高地)などがあるようです。

キンコウカ

キンコウカ(2006/7/9 ひるがの湿原植物園)

ひるがの高原の自然情報 (2013年7月7日)

7月1日~7月6日のひるがの高原の自然情報です。

あやめ沢湿原では、ミズチドリ、ノハナショウブが見頃です。
ポケットパークの湿原では、クサレダマ、ヤマトキソウが咲いています。

7月に入っても、カッコウ、ウグイス、ホトトギスの声が聞こえてきます。オオジシギは、日中に声を聞くことはほとんどなくなりましたが、7月6日のホタル観察会中(午後8時ごろ)にディスプレイフライトの音が聞こえてきました。

6月下旬からひるがの高原スキー場付近の水路でゲンジボタルが観察されました。7月に入ってから分水嶺公園周辺でも見られるようになりました。7月6日にひるがの湿原植物園でヘイケボタルが観察されました(今年初)。

5月下旬から鳴いていたハルゼミ、エゾハルゼミは、6月中旬~下旬には、高原内のいたるところで、たくさんの声が聞こえましたが、7月に入ってから声があまりしなくなりました。7月5日の夕方にヒグラシの声が聞こえました(今年初)。

ホタル観察会 (2013年7月7日)

7月5日と6日のホタル観察会は雨が心配でしたが、両日とも観察会の間は雨が上がり無事開催することが出来ました。分水嶺公園でゲンジボタルが数十匹観察でき、植物園では数は少なかったですが、6日にヘイケボタルとゲンジボタルが確認できました。参加された皆様、ありがとうございました。

大雨 (2013年6月20日)

ひるがの高原には、アメダスの雨量計が設置されています。昨日は、全国ニュースで紹介されるぐらいの大雨(降り始めから200mm以上)で、このところ梅雨に入ってもさっぱり雨が降らず心配していましたが、ようやく湿原植物にも雨の恵みがやってきました。今日も雨が降ったり止んだりです。明日は、大日ヶ岳登山のガイドをする予定でしたが、明日も雨の予報ということで夕方までに中止が決まってしまいました。

エンコウソウ (2013年6月20日)

もう花の時期はほぼ終わってしまいましたが、リュウキンカの仲間であるエンコウソウは、漢字で書くと、「猿猴草」で、「猿」はもちろん「猴」も漢和辞典で調べると「サル」という意味です。先日、園内を案内していたときに、「なぜ、猿なのですか」という質問がありましたが、そのときはなぜだったかうまく答えられませんでした。後で調べてみると、花の付いている茎(花茎)が、同属のリュウキンカが短く立ち上がるのに対して、エンコウソウでは、横に長く這い、それを「テナガザル(猿猴)の腕」に見たてたということらしいですが、テナガザルの腕を連想するとは意外な気がします。

エンコウソウ

エンコウソウ(2009/5/23 ひるがの湿原植物園)


リュウキンカ

リュウキンカ(2007/5/4)

エゴノキ (2013年6月20日)

昨日の大雨で大方散ってしまったかもしれないですが、今年はエゴノキの花がたくさん見られました。エゴノキの花は、5枚の花びらがその根元でくっついているので、散るときは花ごと下に落ちてしまいます。今日はあちこちで白い花がぼたぼたと落ちていることでしょう。
エゴノキという名は、果皮が「えごい(えぐい)」からということです。他にも別名があり、その一つに「ろくろぎ」というものがあります。以前から、どうしてそういう名なのか疑問に思っていましたが、和傘の骨を留める軸の部品のことを「ろくろ」といい、その材料がエゴノキだということを知りました。つまり、「ろくろ」の材料になるから「ろくろぎ」です。(その後、さらに調べてみると、ろくろで作ったもの全般を「ろくろ細工」もしくは単に「ろくろ」ということもあるようです。)ちなみに、岐阜市は和傘の日本有数の産地だそうで、和傘の部品「ろくろ」を作る人も日本全国で岐阜市内にただ一人いるだけようです。もうひとつの別名に「ちしゃのき」というのがあります。図鑑で調べると、ムラサキ科の高木にチシャノキという標準和名の種類がありますが、中部地方には自生しないようです。

エゴノキ(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

エゴノキ(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

モリアオガエル (2013年6月17日)

一昨日の雨で、モリアオガエルが卵を産みつけたようです。スイレン池で1個、水源池で5個見つけました。

モリアオガエルの卵(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

モリアオガエルの卵(2013/6/17 ひるがの湿原植物園)

草むらの虫の音 (2013年6月16日)

草むらの虫の音というと、秋という印象が強かったのですが、園内では5月中ごろから、草むらから虫の音が聞こえてきます。先週頃からは「シャカシャカシャカシャカ」という音が聞こえてくるようなりました。今日、鳴いている虫を目の前で見ることができました。ナキイナゴです。毎年、この声がすると、夏がやって来たなあと思います。それにしても梅雨はどこへ行ってしまったのでしょう。あまりに雨が少ないのも困りものです。

ナキイナゴ(2013/6/16 ひるがの湿原植物園)

ナキイナゴ(2013/6/16 ひるがの湿原植物園)

雲海と白山 (2013年6月9日)

今朝、久しぶりに早起きしてみました。4時半の自宅前の気温は10度。寒い朝です。霧が流れてきたので、ひるがの高原スキー場に登ってみることにしました。思ったとおり、荘川境のほうから雲が流れています。

登るときに、遠くで白い花が咲いているのに気が付いて、「なんだろうこんな時期に」と思い、下るときに近づいてみたら、ヒトツバタゴでした。なんじゃもんじゃの木とも呼ばれます。自生のものはまだ見たことはないですが、日本では愛知県・岐阜県・長野県と長崎県の対馬にしか分布しないとされる大変珍しい木です。場内に3本ほど植えてあったのですが、どれも花を付けていました。ひるがの高原でもちゃんと花が咲くのですね。

雲海と白山(2013/6/9 ひるがの高原スキー場)

雲海と白山(2013/6/9 ひるがの高原スキー場)

ヒトツバタゴ(2013/6/9 ひるがの高原スキー場)

ヒトツバタゴ(2013/6/9 ひるがの高原スキー場)

お問い合わせはこちらへ
岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
TEL 0575-73-2241(開園中)0575-72-5000(冬 季)
開園時間:午前9時~午後4時半
開園期間:4月下旬~10月上旬(定休日無)※変更の場合あり