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草原や湿原のチョウ (2019年6月26日)

草原や湿原(湿原も草原の一種です)に生育するチョウは、全国的に減少傾向だそうです。ひるがの高原では、6月上旬から中旬にかけてギンイチモンジセセリ、6月中旬~7月上旬にかけてヒメシジミが湿原やその周辺の草地で比較的よく見かけます。

ヒメシジミの雄(2019/6/21 ひるがの湿原植物園)

ヒメシジミの雌(2019/6/21 ひるがの湿原植物園)

ギンイチモンジセセリ(2019/6/21 ひるがの湿原植物園)

園内で見られたチョウやガ(5月下旬~6月上旬) (2019年6月11日)

6月上旬頃、湿原でギンイチモンジセセリがたくさん飛んでいました。5月下旬にギフチョウを何度も見ましたが、撮影は出来ませんでした。同じころウスバシロチョウもよく見ましたがなかなか止まってくれず、今日やっと撮影できました。他には、ヒメウラナミジャノメ、シラフシロオビナミシャク、キンモンガを観察しました。

モンシロチョウ(2019/6/11 ひるがの湿原植物園)フランスギクの花で蜜を吸うモンシロチョウ。

ウスバシロチョウ(2019/6/11 ひるがの湿原植物園)交尾付属物が付いている雌。

ギンイチモンジセセリ(2019/6/3 ひるがの湿原植物園)

フタホシシロエダシャク(2019/5/27 ひるがの湿原植物園)食草はソメイヨシノなど。

シダエダシャク(2019/5/27 ひるがの湿原植物園)食草はワラビ。

園内で見られたトンボ(5月下旬~6月上旬) (2019年6月11日)

5月から6月にかけて、園内ではトンボがよく見られます。下に挙げた写真の他にはコサナエもよく見られました。

エゾイトトンボ(2019/6/11 ひるがの湿原植物園)エゾイトトンボのつがい2組。

タベサナエ(2019/6/11 ひるがの湿原植物園)タベサナエの雄。

シオヤトンボ(2019/5/30)

ハラビロトンボの雌(2019/5/30)

ハラビロトンボの雄(2019/5/27 ひるがの湿原植物園)

ヨツボシトンボ(2019/5/27 ひるがの湿原植物園)

アズキナシとウラジロノキ (2019年5月31日)

アズキナシとウラジロノキはともにバラ科の高木です。ひるがの高原周辺では、新緑がさらに濃くなる頃、5月下旬に林の中で白い花を咲かせます。
たまたまなのか、ひるがの高原周辺ではアズキナシの花の方が圧倒的に見る機会が多く、ウラジロノキの方は花を見たのはこれまで3回だけです。ただし、大日ヶ岳の登山道沿いで幼木をよくみるので、花の時期にたまたま出会っていないだけかもしれません。高木なので、花に気が付かないことも多いと思います。
アズキナシとウラジロノキの花の様子はとても良く似ています。ウラジロノキは葉の裏が白く、両種の葉の鋸歯の様子が違うので区別できるのですが、遠くからだと葉の鋸歯は分かりづらく、光の加減では葉の裏の色もよくわからないことがあります。

アズキナシ(2019/5/24 大日ヶ岳山麓)

ウラジロノキ(2017/5/30 大日ヶ岳山麓)

観察した昆虫(2019/5/10~5/16) (2019年5月17日)

先週末から今週末(2019/5/10~5/16)に園内で観察した昆虫です。

スゲハムシの体色は構造色(色素ではなく微細な構造による色)だということです。
サナエトンボの仲間は、写真では区別が難しく同定に自信がありません。これだと思っても手持ち図鑑(文一総合出版 日本のトンボ)の分布図からは微妙に外れていることが多いので、ひるがの高原周辺を含む美濃北部から飛騨地方にかけては、専門家にもあまり詳しくは調べられていないのではないかと思います。
手持ちの図鑑ではエゾイトトンボも分布図からちょっと外れており、東海地方では岐阜県北部の富山・石川・福井県堺のみに分布するとなっています。少なくとも東海地方では珍しいトンボだと思います。エゾイトトンボは、腹部第2節背面のスペード状の斑紋でほぼ間違いなく同定できると思います。
写真にはありませんが、シオヤトンボと思われるトンボも観察しています。

スゲハムシ(2019/5/10 ひるがの湿原植物園)広がり始めたミズバショウの葉の上によく止まっています。美しい金属光沢があり、青から赤みがかったものまで色々です。

スゲハムシ(2017/5/30 ひるがの湿原植物園)以前撮影した青っぽい個体。

コサナエ(2019/5/17 ひるがの湿原植物園)羽化したばかりの個体。前肩条があることと上付属器の形からコサナエとしました。

エゾイトトンボ(2019/5/16 ひるがの湿原植物園)北海道で多く見られるイトトンボの仲間。ひるがの高原付近は分布の南限かもしれません。

ひるがの高原の針葉樹 (2019年5月14日)

園内の築山には、針葉樹が10本程度植えられています。下の写真は、湿原側から築山を撮影したものですが、写真ではわかりづらいですが、右側の5本がモミで、左側の4本がゴヨウマツ(別名ヒメコマツ)です。

築山の針葉樹

築山の針葉樹(2019/5/13)

モミ

モミ(2014/1/18 築山)

ゴヨウマツ

ゴヨウマツ(2014/1/18 築山)

ひるがの高原周辺のモミの自生地は分かりませんが、ゴヨウマツは周辺の山々に自生しています。ひるがの高原に周辺で一番よくみられるアカマツよりも標高が高いところまで自生しているようです。
ひるがの高原の道路沿いに街路樹としてよく植えられているのは、ウラジロモミとドイツトウヒです。

ウラジロモミ

ウラジロモミ(2019/5/13 ひるがの高原)

ウラジロモミ

ウラジロモミ(2009/7/4 ひるがの高原)

ドイツトウヒ

ドイツトウヒ(2012/5/8 ひるがの高原)

ドイツトウヒ

ドイツトウヒ(2012/3/20 ひるがの高原)

モミ、ウラジロモミはマツ科モミ属、ゴヨウマツはマツ科マツ属、ドイツトウヒはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹です。モミ属には球果(いわゆるまつぼっくり)がバラバラになって落ちるという特徴がありますが、築山のモミは球果ごと落ちていることがあります。

モミ属の果鱗と種子の比較

モミ属の果鱗と種子の比較。左がウラジロモミ、右がモミ。(2012/3/11 ひるがの高原)

カルガモ (2019年5月14日)

早朝や夕方にスイレン池によくカルガモが来ています。いつも2羽いるのでつがいかもしれません。
いつもは、写真を撮りたくてもすぐに逃げてしまうのですが、昨日も1羽は飛び去ったのですが、もう1羽が池の向こうの草むらに向かって歩いて逃げていきました。たまたま、望遠レンズをつけたカメラを持っていたので撮影することができました。

カルガモ

カルガモ(2019/5/13 築山の奥)

スイレン池のほとりのヤナギ (2019年4月18日)

スイレン池のほとりで、低木のヤナギが咲いていました。でも、種類がよく分かりません。
低木のヤナギで葉っぱが出る前に花が咲き、岐阜県北部で自生している種類だとそう多くはないはず。
花には柱頭しかないので雌株です。イヌコリヤナギ、ネコヤナギではないみたいです。図鑑で見ると該当しそうなのはオオキツネヤナギですが、自信はないです。

ヤナギの雌花(種類不明 2019/4/18 スイレン池のほとり)

ヤナギ(種類不明 2019/4/18 スイレン池のほとり)

今年最初の蝶 (2019年4月16日)

先日、モンシロチョウらしき蝶を見かけていたのですが、なかなか止まってくれず撮影できませんでした。今年最初の蝶はキタテハです。この時期なので成虫で冬を越したのでしょうか。日中20度近くまで気温が上がったので、1匹だけでしたが、あちこち飛び回っていました。この蝶は翅を閉じると裏側が落ち葉そっくりです。撮影しようとかなり粘りましたが閉じてくれませんでした。

キタテハ(2019/4/16 ひるがの湿原植物園)

キタテハ(2019/4/16 ひるがの湿原植物園)

クロッカス ― ひるがの高原で、春、いちばん最初に咲く花は何? (2019年3月26日)

 湿原に自生する植物の中で、最も花期が早いのは、おそらくワタスゲだと思われます。ひるがの高原全体では、湿原植物ではザゼンソウがいちばん早いのではないかと思います。湿原周辺や林の中にも自生するヒメカンアオイの花もかなり早く咲いているようですが、地面すれすれに花をつけるのでいつ咲いたのかよくわからないです。ふきのとうはフキの花ですが、これもかなり早い方だと思います。木の花では、大日ヶ岳山麓に自生するマンサクがいちばん早いです。低木ではネコヤナギも早く花が咲きます。

 ひるがの湿原植物園内に限ると、築山に植えられたセリバオウレンがいちばんです。その次が、昔あった芝生の花壇に植えられ、花壇が撤去された後もしぶとく生き残っているクロッカスです。残念ながら、湿原のワタスゲ、築山のセリバオウレン、芝生のクロッカスは、いつも植物園の開園前に花が終わってしまいます。今回は、あえて、ひるがの高原に自生しないどころか、日本の野生植物ですらないクロッカスを取り上げてみます。

 園芸植物としておなじみのクロッカスはアヤメ科の植物です。クロッカスの仲間(Crocus属)の原産地は、ヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア(今のトルコ共和国のアナトリア半島地域)だそうです。園芸のクロッカスには、白や紫の花と、黄色の花とがありますが、原種は異なっていて、白や紫系統の花はCrocus vernus(ウェルヌス)、黄色系統の花はCrocus chrysanthus(クリサントゥス)という別の種類だそうです。園内のものは、濃い紫色なのでCrocus vernusだということになります。その原産地の一つ、スイスでの写真を見ると、雪に覆われたスイスアルプスを背に雪解け後すぐに白や紫の花が一面に群生している姿はとても美しいです。

 クロッカスの仲間には、クロッカスのように早春に花が咲く種と、秋に花が咲く種とがあります。秋に花が咲く種として一番有名なのが、Crocus sativaという種つまりサフランです。香辛料のサフランは、この種のめしべを乾燥させたもので、アヤメ科では唯一花が食用になるのがサフランだということです。実は、サフランとクロッカスが同じ仲間だとは、この記事を書いていて初めて知りました。

 花壇の撤去後にはクロッカスもすべて抜いてしまおうとか考えたこともありましたが、年々少しずつ減りながらも開園前に人知れず毎年花を咲かせていますので、このまま残しておいてもよいかなと思っています。以下の写真は、今から18年ほど前、画素数が80万画素(1024×768ピクセル)しかなかったソニー製のデジタルマビカ(MVC-FD91)というデジタルカメラで撮影したもので、記録メディアは3.5インチのフロッピーディスクでした。画像が粗くてわかりにくいですが、今はない庭石の周囲にたくさん花が咲いています。今では、数株になってしまいました。

写真1:クロッカスの花(2001/4/15)

写真2:芝生に咲くクロッカス(2001/4/15)

現在の植物園の様子 (2019年3月10日)

園内の様子です。湿原の奥で少し雪が残っているほかはすべて消えてしまいました。

植物園入口の写真

植物園入口(2019/3/10)

植物園入口の写真

植物園入口(2019/3/10)

入口前の広場の写真

入口前の広場(2019/3/10)

スイレン池の写真

スイレン池(2019/3/10)

築山の写真

築山(2019/3/10)

スイレン池と湿原と大日ヶ岳の写真

スイレン池と湿原と大日ヶ岳(2019/3/10)

湿原と大日ヶ岳の写真

湿原と大日ヶ岳(2019/3/10)

湿原と大日ヶ岳の写真

湿原と大日ヶ岳(2019/3/10)

湿原の写真

湿原(2019/3/10)

湿原の写真

湿原(2019/3/10)

湿原の写真

湿原(2019/3/10)

ひるがの高原の自然について (2019年1月17日)

 6年ほど前に、あるシンポジウムで「ひるがの高原の自然生態系」について話をしてほしいと頼まれました。一般向けだから、ひるがの高原で見られる動植物の紹介をすればよいと思ったのですが、それならば「ひるがの高原の動植物について」の方がいいのではないか、「自然生態系」とは仰々しい言葉だなあと感じました。
 「自然生態系」という言葉は、「自然」と「生態系」という言葉に分けられます。「自然」という言葉のもつ本来の意味は、広辞苑とかで調べたわけではないけれど、「人間がかかわっていない」という意味だと思います。生態系は外国で作られた概念を日本語に訳したものだったはず。それは、私はそれを簡単に言うと「ある環境とそこにすむ生物を一つのまとまりとして考えたもの」だと思っています。なので、自然生態系は「人間がかかわっていない」「環境とそこに住む生物を一つのまとまりとして考えたもの」となるわけです。
 ところが、何十年にもわたってひるがの高原全体が様々な人為的な影響を受けているわけで、厳密な意味で「ひるがの高原の自然生態系」というのは現在では存在しません。だから、冒頭にも書いたように「ひるがの高原の動植物について」の方がいいタイトルではないかと思いました。しかし、もし、人間の影響を受けていなかったとしたら、ここにはどんな「自然生態系」があるのかについて考えてみるのは、ひるがの高原の現状について考えてみる上で役に立つと思います。
 というわけで、これまでひるがの高原について調べたことのまとめと自分自身の勉強も兼ねて、しばらくこのブログでシリーズとして「ひるがの高原の自然」について考えてみたいと思います。

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岐阜県郡上市高鷲町/高鷲観光協会
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